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石田すわぁーーーーーーーんっ!!!

はい、こんにちは。
さようなら、というわけにはいかないので
日記を書くことにします。

まずはずっと前の。
某レンタルビデオに行って、「幕末機関説 いろはにほへと」と
「学園ヘヴン」を借りに行きました。
レジの人が玉木 宏似のボイスで困りました。
あうあう。
低い音程の人に弱いんだよぉ~~~~。
にやけました。スミマセン。
玉木宏似のボイスの人・・・。

早速おうちに買えって「いろは」見ました。
・・・・・・浪川ーーーーーーーーっ!!!格好いいよっ、というか
あのセクシーあほげはないだろう、耀次郎。
しかも半裸シーンが多かった気が・・・・・。
気のせい?
後、井上さんの役で茨木蒼鉄!!
あの人もたまらない!!!!洋服がいいですね、軍服っ!
赫乃丈は・・・・・あまり。
好きじゃないわけじゃないんですけど。
最後の教祖姿が、何とも言えず。
『共和国のために!!』とかの姿があまり好みじゃない・・・かな?
神無くんは、ドツボw
金髪な辺りからちょっといいなぁ、と。あとは、拳銃、フリル。
そうフリル!!
最初は一人べルバラの世界の方が迷い込んだかと思いました。
だって、・・・・幕末にフリルって、フリル・・・・。
フリル。

うん、可愛いし、似合ってるからいいけど。

そういえばネタで中居屋十兵衛×神無があった。
・・・・間違った。逆、逆。
神無×中居屋十兵衛。
神無が襲われるのは仕方ないけど、相手が中居屋はないでしょ。
・・・・・・・・・・・・・・・・キモ。
キモキモキモキモキモキモキモ。
寒気しますね、可愛い神無にキモイ中居屋。
私は中居屋が上でも下でも認めなi(黙れ

私は神秋派だッ!!

アホ毛の秋月は下だっ、受けだ!!
皆、皆秋神ばっかり!!!
主人公受けのがいいじゃないかっ、相手は(声が)鳥海だしっ!
(声が)エロィスな鳥海!!!超最高っ、バンザイっ、夜露死苦!!!


それで今日、頼んでいた本が届きましたw
「いろは」の小説ですw
明日の朝自習で読もうと今から策を練っていますww
ニヤケナイための。


ついでとばかりにビーズログ。
今度の表紙はデェエルラブか。
う~ん、浪川w
結構声優はいいんですけど、15対。
ラストエスコートも15対。
CYは18禁。

世の中って難しいですw

話を戻しまして。
今回はBBの画像だけだったので少しばかり悲しい・・・
しかーしっ!!!!
LUX PAIN!!!!!!!
こちらも美声優揃い!!
石田さんはいませんがね、・・・・。

石田さんDaylightでしたっけ?
出るんですよねぇ・・・ウフフフフフw
今現在デモを聞きながら書いてるんですけど、セリフが直に!!耳にっ!!
うひぃぃっ!!!!!!!!


次はオモケ、・・・・オマケです。

   Real and Fake ハルミハ←アベ? 
 
 三橋と榛名が初めて出会ったのは、阿部のおかげだったともいえるだろう。
 けれど、あんなことになったのは運命としか言えない。きっかけがあったとしても。
 それは自分次第で起こったり起こらなかったりでよく分からない。
 そう、分からないんだ。人生なんて。

 それはどしゃ降りのような雨だった。急に降り出して人々を驚かせる。そして、戸惑わせる。
 予報などされなかったそれは、とある少年を濡らす。そりゃもう、ヒドイ状態まで。雨宿りなんて手遅れなまでに。
 その少年はスポーツバックらしき大きなバックを頭にのせ、青い顔をし必死に走る。だが、バックで雨を防ごうとしてもバックで防ぎきれなかった部分が錘となり、通常より身体を鈍らせる。
「は・・・わ。あ、阿部くんに、怒られる・・・・・・」
 つたない言葉をつなぎ、文にし、発する。その怯えた声は『阿部くん』といった途端にどんどん声が小さくなり、語尾を聞こえにくくする。どっちかっていうとゴニョゴニョしていてもう聞こえない。
 バシャバシャと地面に落ちる雨水を鈍い足が蹴り、よりズボンの裾を濡らす。
 重くなった足を一端止める。止まった場所など今の少年にはどうでもいいことの一つだった。
「おい、お前。こんなとこで何してんだよ」
 急に肩に手をのせられズブ濡れの少年は飛び上がった。シチュエーション的には怪談のようだが、この手は幽霊のものでも人体模型の手でもなく、ちゃんと足もついている男の手だった。
 しかしそれでも怖い。シチュエーション的に。
「ひ、ひぃいいいいっ!!!!?ごめ、ごめなさいっ!!もう、もうしな、しませんっ!!!」
『・・・振り向いたら、そこには・・・・・・』よくある感じを思い出したのか、少年は男の方に振り向かず男に背を向けたまま誰もいないほうへと頭を下げながら謝る。
 その不思議な行動をとった少年を見ていた男は我慢できずに腹をかかえて笑い転げる、ように近所迷惑とまでいえる範囲の声で笑う。
「ははは、あははははっ!!腹いてぇ!!?な、ははっ。なんだよ、お、おお、お前!!?」
 ひーひー言いながら思いっきり笑われていった問いかけに少年は戸惑うが、その声を聞いてあることになぜか気付く。
「その声、は。は、榛名、さん?」
「ん?・・・何。オレのこと知ってたのか?」
 目元の笑いすぎて出た涙を拭き取りつつ、相手が自分の名前を知っていたことに驚く。
「だ、だって、阿部くんの前のピッチャーで、すごくかっこいいし、上手、だから」
 榛名の問いかけにコクコクと頭を上下にふり、興奮したように慌ててその後に言葉を繋ぐ。
「そういえばお前の名前なんだっけ。たしか隆也と同じ学校だったよな?」
「は、はいっ!!み、三橋です」
 自分のことを三橋と名乗った少年は、今さっきと人が変わったようにはきはきとしていて、また違った印象を相手に植えつける。
「そう、そう!!三橋だ!・・・・・・そういえばなんでこんなとこに居るんだ?」
 根本的な疑問になり、なぜここに居るんだと聞かれた三橋すら分からないという顔をする。
 そして少し悩むように首を傾げる。それにつられて榛名も首を傾げる。と、思いだしたように大きな声をあげる。
「あ、あ、あの。・・・・・・おれ、雨・・・」
「ああ、そうか。雨って・・・・・・もう止んでんじゃん」
 榛名の方は傘をさしていたせいか、あんまり雨を気にしていないようだったので、三橋もその雰囲気にのみこまれ、すっかり雨の存在を忘れさっていた。なので、二人がぎゃーぎゃーと騒いでいるうちに雨の勢いはどんどんと弱まりいつの間にか空には黒い雲などもうなかった。
「それより、・・・・・・そのままだと風邪引くぞ」
 たとえ空が晴れていても雨の中を走っていた三橋はずぶ濡れのままだ。身体に張り付く服がそのことに気付かせるためにあるかのように、今の現状を分かりやすく語っている。
 そのあまりの酷さに榛名が珍しく気をまわす。
「オレん家で乾かしてけよ。そのままだと本当に風邪引くし・・・。そ、それにさっ!オレん家乾燥機あるから早く乾くぜっ」
 誰がこの場に三橋を止めさせていたのかやっと分かった榛名は、慌てて言葉を付けたしていく。もちろんそれは、三橋への申し訳なさと同じピッチャーとして身体を大切にすることからだ。三橋が気になるからではない。決してない。
「で・・・でも、すぐに帰るし・・・・・・」
「とにかくオレが気をまわしてるんだから来いよっ!!」
 ゴニョゴニョと話す三橋を無視して三橋の腕を引っ張る。もちろん利き手でないほうをとる。
 榛名の強い力によって転びそうになりながらも榛名の家へと足は進んでいった。

「ほらよ」
 榛名に渡されたタオルを受け取り、身体拭いていく。
 榛名から借りた服は三橋にとって少し大きく袖の部分や肩幅の部分の布があまっているのが見え見えだった。ズボンのほうもブカブカで引きずらないように少し上に上げぎみだ。
「あの、ありがとうございます」
 緊張のせいで少し高い声がでるが、服まで貸してくれた榛名に心からの感謝を言い渡す。それでも榛名はさも興味もなく、素っ気なくあぁと答える。それを素直に受けていた可哀想な三橋はほんの少し安心したようで、周りを見渡し始めた。
 榛名の部屋は一般的な高二男子の部屋で、汚らしい。けれど、それがまた榛名らしくって安心する。野球の雑誌が何冊か散らばっていて、そこがまた野球男子らしさが引き出される。
 自分の質素だけど、散らかってるだけの部屋と比べると幾分かマシに見える。けれど、結局はどちらの部屋も散らかっていて汚いということだ。
「三橋つったっけ?名前」
 人の部屋をじろじろと見ていることで怒られると思っていた三橋は榛名の声でびくりと一瞬身体を浮かせるが、ただ名前を呼ばれただけだということが分かると、ほっとしたようにヘナヘナとまた床に座り込む。安心と共に「は、はい」と相槌のように言葉が出る。
「アイツなんかオレの悪口とか言ってねぇか?」
「アイツ?」
 誰だかよく分からなくてきょとんとする三橋は首をひねってそれらしき人物を探し出す。しかし、探している間に榛名が先にその答えを言ってしまう。
「阿部だよ、阿部隆也」
 その言葉で三橋は素直に認める。そういえば、と三橋は夏大始まる前に武蔵野第一の試合を見に行ったとき阿部と榛名がフェンスごしに話している姿を見ていたことを思い出す。つられるように栄口から聞いた内容を思い出す。
『阿部って昔榛名さんとシニアでバッテリーを組んでたんだって』
 その言葉で気付く。榛名さんはあんなすごい球の投げる選手で、そのときそれを取っていた阿部くんもすごいわけで。何だか自分が阿部とバッテリーを組むべきではない、と三橋は思った。こんなダメピのオレと組んではいけない。
 自分で思ったことに心が暗くなる。阿部を縛っていたのではないか、と自分に更に錘をのせる。急に視界が歪み、榛名の顔が見えなくなる。おかしいと思って目元をゴシゴシと擦ると手の甲に水滴がついた。そして、次の榛名の言葉でそれがなんなのかはっきりと分かった。
「お前、なんで泣いてんの?」
 榛名と三橋、そのどちらもが涙に驚く。
 三橋は水滴の正体が分かり、なんでこんなものが、と自分のことなのに首を傾げる。そして榛名は苦い顔をしてもしかして・・・オレ?と良く分からないが自分を疑っている。
「な、なんだよ、急に。オレ何もしてないよな」
「ご、ごめな、さい・・・・・・。オレの、せいだ、か・・・ら」
 三橋に会うにはこれで二回目の榛名は三橋への対応に困る。こんなときアイツならどうするだろう、とアイツを思い浮かべる。・・・浮かべるには浮かべたが、アイツがこういう場面になったらイライラしてあのムッツリした顔の眉間にシワを寄せそうだな、と思うとアイツのイラついた顔が頭に浮かびあがる。その顔の歪みぐあいが面白くて榛名は一人笑い始める。
 その突然の行動に泣いていた三橋は驚き、自然に涙が止まる。そのことに気付かず、榛名の不思議な行動を見つめていると、腹から笑いがこみあげ、また目元に微かに涙を浮かべる。
 それは今さっきとは違う涙で喜びに満ち溢れている。惜しむことなく溢れる涙は、榛名にも移っていた。
 そうして二人は互いで思っていることなど知らずに笑いあった。
「何、笑ってんだよ・・・。はは・・・泣いてたのに、さ」
「っは、榛名さん、こそ・・・あはは」
 二人とも腹を抱えながらどうにか声をしぼりだす。抑えようとしても止まらない笑いに二人は困る。
 こんなときなど流れることはなかった。阿部が出なければ。
 そうして二人はめいっぱい笑いあった後も会話をし、気がつけば時は黄昏までになっていた。
 さすがに三橋の服は乾いており、借りた服を脱ぎ、自分の服を受け取りそれに着替える。服は乾燥機で乾かしたものだが、他人の家で乾かしてもらったことに三橋は感激し、すこし興奮気味だった。
「今日は、ありがとうございましたっ!!」
「いやいや、なんか楽しませてもらったし」
 不思議なぐらい元気な三橋に多少引きつつ、返事を返す。
 そのまま榛名にもう一度お礼を言うと三橋は背を向け、歩き出そうとしたが。一歩歩みだしたところで足は止まった。榛名はそれを不思議に思いつつ、「まだ何かある
のか?」と問いかけると三橋は顔を僅かにこちらに向けた。
「あの、・・・・・・」
「ん?何だよ。さっきからモジモジして。言いたいことあるなら言えよ」
「あの、・・・無理して、ませんか?いや、オレがそう思った、だけで。違うなら・・・」
 榛名は三橋の言葉を疑った。三橋は榛名が気をとめた言葉の後にもゴニョゴニョ言っていたが、榛名の耳にそれらは入ってこなかった。
 『無理してませんか?』それはいつ気付いたのか。それが気になった。
 道端で話したとき?いや、鈍感そうだし、それはないか。だったら、いつだ。アイツのこと笑ったときか?
 あの笑いだけは心からのものだった。それ以外は偽善的なオレだ。けれど、アレだけで見抜けるとも思わない。今のオレはアイツと会ったときよりは冷静だし、上手く隠せているはずだ。
 見抜かれたことにイラつきが沸騰し始める。なんでだよ、なんでだよと、終わりのない問いとも言えない言葉が榛名の心で渦巻く。
「榛名さ・・・」
「帰れよっ!もう暗いだろっっ!!」
 別に怒鳴るつもりはなかったが、なぜか三橋に怒鳴り、帰るよう指示した。
 今の榛名は自分の演技が見破られたことで、これ以上自分を見られたくないこととこんなにも簡単にブチ切れたことを悔いている自分を誰にも見せたくなかったからだ。特に見破られた三橋には。
 けれど、また会いたいとも思った。それは本当に見抜けたのかを知りたいためでもあり、ただ単に会いたいと思ったからだ。
 この言い表わせない感情を抑えるためにも。
 
「榛名ー、起きてるか?」
「・・・・・・」
「はーるーなー」
「っ!?何だよ、脅かすなよっ!」
「今さっきから呼んでたんだぞ、何回!」
「・・・悪かった」
 秋丸が答えを返さない榛名に痺れをきらして、ゆさゆさと揺する。そうすると、さすがに気を戻した榛名が悪夢から醒めたように、現実の感覚を蘇らせる。
 榛名の頭の中であれからずっとあの時間が流れ続ける。何回も何回もあの場面と三橋の言葉が繰り返され、まるで、壊れたビデオテープを見ているようで、お世辞にもいい気分ではなかった。
「ここ最近ずっとぼーっとしてるし、いつも欠かさずにやってることだってしないし。具合悪いんじゃないか?」
「なんでもない」
 こんなところまで三橋に侵食された自分が悪い。秋丸にまで心配をかけてはいけないと思いながらも、醒めない夢に悩まされる。今までこんなことなど只の一度もなかった、あの隆也でさえ気になどならなかったのに。
 どんどん迫ってくる、あの言葉。オレを初めて脅したあの言葉。
 怖いとは思わないが、それに似た感情が胸に存在するのがちゃんとわかった。けれど、その正体がどんなものなのかなど理解する気もないし、分かったところで何があるんだというやる気のなさがあった。
「練習やるぞ」
「はいはい」
 秋丸は自分勝手な榛名に溜め息をつくが、渋々と練習に付き合うことにした。榛名の投球のセンスの良さは武蔵野第一以外にも知れ渡っているほど、上手い。それを取ることができる自分はきっと運がいいんだろうと秋丸は思いながら熱い日差しの元へ向かっていった。
 ――オレはどこまで見せたんだ。

 晴れ渡る碧空に響く耳障りな金属音。金属音を鳴り響かせてそれは高く高く上空へと上がっていく。しかし、それも点のように小さく見えるようになったらだんだんと速度を付けて地上へ落下していく。それを待ち構えるように地上には数人の少年達が立ち、顔を空へと向ける。ミットを付けた手を突き出しそれを中に迎い入れる。上手く入ったそれは一人の少年の手に心地よい痺れを効かす。
「っよし。ありがとうございました!」
 バットを手に持つ女性へと頭を下げる。野球のユニフォームを着ていることから何かしら野球に関係ある人物だと推測できる。彼女は強く頷き夏前のじめじめする季節にも関わらず爽快な気分をさせる程の笑みを浮かべる。心からの幸せと喜びを表すようで少年も釣られて弧を描く。
「そうだ、阿部君」
 思い出したように彼女はミットを持っている少年を呼び出す。
「なんすか監督」
 監督と呼ばれた彼女に近づく阿部は何か問題があったかと頭の中を弄る。そうして行き着く先はだいたい特定の人物になる。
「三橋君の、ことなんだけど、何か知らない?」
 ほらきた。予想とばっちりと当てはまった人物は西浦のエース。この部活内での一番の問題児。何か大惨事を起こすような奴ではなくて、今の季節のような奴だ。一人でじめじめと考えたり、聞こえないような声で話す自分に自信が持てない気難しい同級生。けれど、野球をすること、特にマウンドに立ってボールを投げることは誰にも譲れないほどの変な奴。短く纏めてしまうと臆病。投げることにも臆病でいつもいつもバッターがいると怯えた顔をする。見ててイラつくことが多いけれど、しっかりと投げるのでそこの部分は気にしない、ようにしている。誰にだって打たれるかもしれないという恐怖で投げにくいことはある。
 しかし、それ全てが楽しいんだ。野球というものはそういうスリルを味わい楽しむもの、だからそう感じなくては楽しくない。
「三橋のことはオレは詳しくないんで・・・すみません」
 バッテリーを組んでいるとは言っても、キャッチャー経験者が他にいなかったのだ。今なら田島がもしものとき対応してくれるからひとまずは大丈夫だが。
 バッテリーではキャッチャーがちゃんとピッチャーを理解しなければいけない。ピッチャーというのは実に繊細・・・というか気難しいヤツが多い。もちろん三橋も例外でなく、当てはまる。
 どうにかしなくてはならないと阿部が思って近づいても三橋が遠ざかるのならばどうしようもない。
「阿部くんはちゃんと解ってるよね、三橋君が大事なこと」
「はい」
「じゃぁ、行かなくちゃいけないことも解ってるよね」
「・・・はい」
 三橋は西浦の大事なエース。たった一人のエース。どれだけそれが重いかは、分かっているつもりだ。
 けれど、三橋はいつもびくびくと阿部のことを怖がり、一向に近づけない。だからこそ阿部自身が自ら行かなくてはならない。もうすでに分かっていることだ。 正直言って三橋は苦手だ。何がしたいのか良く分からない。言葉を使わなければ想いは伝わらないのに言おうとしないのだから。阿部はどうにか、三橋を傷つけないような接し方をしなければならない。
 ・・・上手くできるとは思わない、今までだって上手くいってない。不器用ではないはずなのに。
「大丈夫、阿部君なら三橋君のこと解ってあげられるよ、だから・・・」
 阿部の考えていることが分かっている監督は背中を押す。それを力強い助けだとたまに思うときがある。いつの間にか相手を自分の陣地に引き込んで誘導させる謎めいた力がある監督はどんなときにもオレ達にグランドへ向かうよう元気ずけてくれるのだが、・・・・・・尻バットをして背中を押すのは唯一やめて欲しいと思う。
 言葉の続きをいつもの調子で先読みし、上手く尻バットをかわす。
「・・・・・・行ってきます」
「うん、いってらっしゃい!」
 一瞬残念そうな顔をしたと思ったらすぐににこやかな顔をして阿部を送り出す。不思議な、本当に可笑しな監督。
 珍しくグランドに来ていない三橋の場所を田島や栄口に聞き、期待をしていないが水谷にも聞き込んだ。しかし、知らないと言う。もういっそ全員に聞くしかないと覚悟を決めたときだ。難しい顔をしている阿部に花井が駆け寄ってきた。
「監督から事情は聞いた。三橋がいないんだって?」
 コクリと素直に頷く。
 三橋は一人で抱え込むタイプだ。ほっといておいたらいつ来るかと考えるより引き込んでいると考えた方が正確だ。
「っかしーな。オレ見たんだよ、三橋。部活来る前にちょうど教室の前通ったらまだ教室にいたから声かけたんだ」 
「それ、・・・本当か?」
「当たり前だろ」
 教室にいるってことは何か悩みっぽいものがあるのかと思う。しかし、三橋の性格からして教室で考え事なんてありえないに等しい。三橋は誰もいない、来ないようなところで涙を流して部活の時間には目元を赤くして来るようなやつだ。「ごめん」と一言言って何もなかったように阿部のサインに従っていつも通り投げるような、一人抱え込む何も進展しない最悪のタイプ。
「ところで、なんていったんだ」
 花井が悪い、とは言わないが何かきっかけがあるかもしれないと思い、聴きだす。
「えっと・・・『何やってんだよ、部活に遅れるぞっ!』って、・・・・・・それだけ」
 使えない奴だな。
 こんなものだけじゃどんなことが起きてるか推理すらできない。これで三橋に近づけるわけない。結局何もできないんじゃないかと自己嫌悪に陥る。
 けれど、今はそんなことをしている場合ではない。自己嫌悪はもっと後だ。今一番重要なのは、三橋がどうしたか、だ。
「他には?」
 僅かにかける思いは吹き飛ばされると思いながらも、一番最近に会った重要人として花井に尋ねる。
「他って、・・・そういえばなんか、落ち込んでたなぁ」
 こいつはどこまで馬鹿で使えない奴なんだ。心の底から呆れる。部活に来ないのだからその類に決まっているだろう。
「阿部、そんな顔でオレを見るなっ!まだ、まだ続きがあるんだっ!!」
 どんな顔をしていたのかは大体わかる。きっと酷い顔をしていたのだろう。蔑みとか呆れとか、そんなものを多く含んだ感じだろう。
「それで、他は?」
「いつもの落ち込みぐらいが違うんだよ、・・・なんか人を殺したような後、みたいな?・・・本当に、あの三橋は、いつもと違う」
 三橋が人を殺せるようなヤツではないのに、殺したような後?さっぱり分からない。分からないが、なんとなく分かる。
 花井のかけた言葉は、温かい。だからこそ、分かる。
 いつも通りの三橋であるなら、もし教室で落ち込んでいて、花井に声をかけられたとしたら焦って今すぐ行くからとか何とか行って部活に顔を出すはずだ。
 今回は、何かもっと酷いことがあったのだろうか。今日、いや昨日?それとも一昨日?それよりも前・・・?
 阿部は三橋ではない、三橋の相談相手でもない。けれど、心配せずにはいられない。
「あいつがあんな風になってるの、初めてみた。いつもムカつくような感じでもじもじしているのに、今日は違う感じに、感じた。今さっきの世界に絶望したって言ったほうが正しいかも・・・。とにかく、今日のあいつは考えられないほど可笑しかった」
 いつもより酷い状況に陥ってることは分かったが、実際のところどこがどうなっているのか分からない。世界に絶望した三橋。容易に想像できるものではない。
 だが、物事や自分ではなく、誰かが関わっていることが分かった。
 もし物事なのだとしたら、いつものことだ。そして自分自身が原因なのだとしても同じこと。人、三橋を大きく変えることができる人物。前にあったことがある、人。三橋と関わりを持っている、人。
 阿部の頭に何かが引っかかる。喉に突っかかるような感覚だ。
 イラつく。
 いつもと違うイラつき。酷い、前に三橋にイラつきを感じたよりも質が悪い、罪悪感までもが感じるイラつき。これを押さえつけて考えるなど、苦しい。
「くそっ!!!」
 これを当てる宛もなく、叫ぶ。解決することが無理だと諦めることもできず、放り出すこともできない。神に祈ることをしても何もならない。
 短く花井に礼を言い、監督に今日はなるべく早めに切り上げて欲しいと頼み込む。心優しい監督はいとも簡単に答えをかえしてくれた。
 お前はどこまで他人を振り回すつもりなんだよ、三橋。
 花井と話し合った内容を部員全員に教え、三橋を見つけ次第捕まえて無理矢理にでも阿部に差し出すようにお願い・・・否、命令する。こんなときにお願いなどしてどうなる。三橋のことだから腕を鈍らせることはないだろうと思うのだが、今は夏体前。そうそう何日も簡単に休まれては勝てる試合も勝てなくなってしまう。今までの苦労を水の泡にするつもりはここには誰一人としていない。
 三橋は、・・・どうなのか分からないが、投げたいはずだ。阿部に一回マウンドを降りろと気合いを入れるためとはいえ言われたとき三橋は、嫌だと珍しく叫ぶように声を発した。三橋にとってどれだけマウンドの上に立つことが大切かが分かる。
 そんな奴がどうして来ない。
 野球を拒否しているわけではないのだ。野球よりも、というより同等くらいのものだろう。そんなものの存在をそこらへんの阿部がどうにかできるわけもない。
 どうしたらいいんだよ、三橋。

 謝るしかないのだろうか。それとも、もう行かないほうがいいのだろうか。
 今までの経験からしてもこんなことは初めてだから分からない。こんな気持ちも初めてだ。会って、話してすっきりしてしまいたいのにできなくて、あの皆が応援をくれるマウンドに立ってボールを投げたいのに怖くてそんなことできない。
 侵されている。
 それは全ての始まり。物語の始まりのような唐突な始まり。
 始まらなければよかったのに。
 野球も何もかも。そしたら何も悩まずに過ごせたのに。


 あの命令を発したときから丸二日経った。進展は全くなし。いや、何回か三橋を見かけ、捕獲したのだが、・・・一度は浜田によって邪魔され、二度目は授業のチャイムによって、その他は事情を知っているはずの田島が忘れていて逃す手伝いをしたり、・・・尽く三橋には逃げられている。一番最悪なのは、阿部がクラスの前を通ると背を屈め、他人の背に隠れることだ。呼ぼうとする前にそんなに警戒されてしまったら呼ぼうとしても呼べないじゃないか。
 そして、ずるずると最悪の状態は放課後まで続いた。
 皆と十分にストレッチをした後阿部はただ一人ベンチで三橋を待っていた。
 来る可能性は、ほぼゼロに近い。阿部の中では来ないと断定されている程だ。
 ベンチでただただ待っている人形状態を望んでいるわけではないのに待つしか術はない。・・・というか三橋が来なければ阿部は野球が出来ない。
 『三橋くんが来るまで阿部くんは練習禁止』
 監督からの一言。
 またアレだ。こう、手をぎゅっと握って、『大丈夫』ってやつだ。どうにもアレには弱い。オレって押しに弱いのかと阿部は自問する。その間に他の部員達は阿部に応援の旗を振るのみ。こうなったら絶対に監督は動かない。女だと思って侮ったらこちらが痛い目にあってしまう。もしかしたら、普通の男の監督より強いかもしれない。
 そんな監督様からなんとか許可を得たストレッチ、体力づくり、基礎だが、他の事は何も出来ない。
 億劫。
 今はそれしか思いつかない。すでに倦怠期に入りそうだ。
 監督の言葉がひたすら頭でこだまする。
 暇をもてあましている阿部は一人構想を練る。こういうときこそできない経験だ、ありがたみも何もないけれど。
 三橋のこと、これからの対応、部活に来させる方法。ぐちゃぐちゃの考えの中には答えは含まれていない。考えるんだ、どうすれば三橋にとってもオレにとっても最善かを。
 三橋が来れば野球ができる、ここに三橋が来れば野球ができる。
 そこで阿部の頭に一つの考えが浮かび上がる。
 監督が言った言葉の裏をとる。三橋がこの場に居ればオレは野球ができる、つまりは野球をやらなくてもこのベンチで座っていればいいんだ。
 ベンチを蹴って飛び出して監督の元に飛び込む。他の奴等の練習に付き合っていても関係なしだ。今は三橋のことが最優先順位だ。
「監督っ、三橋がここにいればいいんですよねっ!!」
「え・・・うん、そうだけど」
「じゃぁ、連れてくればいいんスよねっ、監督!!!」
 阿部の勢いにいつもの様子を蹴落とされた監督ははっきりとした理解をする前に勢いに押された感じで生返事をする。
 三橋を連れて来る了承を得た阿部は素早く身を翻し、三橋の元へと駆けていく。阿部の不思議な行動に栄口がただ開口しているだけの皆の代表として問いかける。
「どこ行くの、阿部」
「三橋の家っ!!」
 そう一言告げるとグランドを早々に出て行った。
 呆けている皆に練習再開と切り出す監督の声が響き、気を取り戻したように一様に自分のポジションの練習を再開した。
 しかし、栄口だけが監督の声を無視して阿部が行ってしまった方向を見ていた。別に皆の様に呆けているわけでもなく、静かに見送っているだけだった。
「・・・気付いてないんだ、阿部自身は」
「栄口ー?」
 栄口の異変に即座に気付いた水谷が声をかける。
「あぁ、ごめん、ごめん。続きしよ」
 ほい、と言って持っていた硬球を水谷に向かって投げる。
 空は陰る、無自覚の嘘つきが本当を掴もうとすることに。
 
 なんていい加減。
 なんて臆病。
 無自覚なのに気にかけるなんて、可哀想。
『 侵されている。 』

 空の機嫌が急に悪くなり、梅雨独特の湿気が増幅する。
 布は水分を吸収し、彼の着ている服を僅かに重くする。しかし、彼にとってはそのくらいの水分は通じない。朝から晩まで走っているような高校生だ、これくらいじゃ何も感じない、何も、感じることはない。
 一度も足を止めることなくたどり着いた先は、求めたモノ。
「・・・三橋」
 家に入ることもなく会えたのは軌跡とも言えるだろう。
 そんな三橋は怯えたような、困ったような顔を阿部に向ける。
 イラつく。
 そんな態度も、そんな顔も、見たことがない。向けてもらった覚えもない。
 止めろよ、そんなの。
 落ち着け、と呪文のように口内で呟く。何をしに来たんだ。これじゃあ、ただイジメに来ただけじゃないか。
「三橋・・・あっ!逃げるんじゃねぇよっ!!!」
 言葉を告げようと口を開けた瞬間に三橋は家の庭に逃げようとした。そんな此処まで来て逃がすものかと思って阿部は素早く腕を掴んで離さない。
「怒ってないし、怒らないから逃げるなっ!!」
 それでもバタバタ暴れるものだからついつい怒りそうになる。
 これがいつも、オレがイラついてて三橋がきょろきょろと助け船を捜す。いつもの風景。いつもの会話がこれで成り立つ、はず。
「なんで逃げたんだ」
 バタバタと抵抗していた三橋は抵抗を止めて阿部の目を見た。きっと言っても大丈夫なのか不安なんだろうと阿部は三橋の思考を予想する。だいたい三橋の予想は読めるようになってきた、これはやはり年月のせいだろう。・・・あまり嬉しくない。
「えと、・・・なんでも、ない・・・よ」
「何にもない奴が部活休むかよ」
「・・・」
「・・・怒らないから」
 嘘をつく三橋をしっかりと見つめ、本当のことを告げる。明らか嘘だ、そう分かってしまうようなことを三橋は平気で口にする。毎回コレには溜め息を漏らさずにはいられない。
「ここじゃ言えないことなら、家ん中でもいいから。ちゃんと言ってくれなきゃこっ
ちは何にも分からないんだ」
 冷静、冷静と頭で命令しながら三橋を諭す。
「みは・・・」
「はるっ・・・」
 もう一度名前を呼ぼうとしたとき、三橋が阿部を遮って何かを告げようとした。しかしその言葉は難解で何も分からない。呆然としてしまう。
 ・・・・・・あー、はる・・・春?暖かいな、うん。
 それがどうした。
 この場でなぞなぞも問題もない。ふざけてるのかコイツ、とか雑念が混じり始めた。今さっきの呪文はすでに頭から消し去られている。
 阿部の状況お構いなしに三橋は続ける。
「はるっ、はるなさんがっ、・・・怒って、それで・・・」
 榛名、思いがけない人物の名前を聞いた。また三橋をからかうような発言でもしたのだろうかと夏体の予選会のときを思い出す。皮肉を言われたにも関わらず、それを良い方にとった三橋は興奮した状態で帰ってきたものだ。
 ほわんとした阿部をぶち壊すように榛名の顔が浮かび上がる。
 条件反射でつい眉間に皺が寄る。
「それで?」
「それ、で・・・」
 伝わって欲しいと思うことは伝わらない。
 けれど、適切な言葉が見つからない。
「榛名さんのこと、考えると、こわ、怖くて、・・他のこと、が、分からなく、なるんだ」
 心底嫌そうな、つらそうな顔をする三橋を見ても何もできない。悔しい。
 阿部は強く拳を握る。何も考えてなどいないのに、自然と榛名のせいだと決め付ける、というか分かる。これは榛名だ、榛名のせいだ。
 悔しい。
「三橋、明日・・・来いよ」
 そう告げると足は自然とどこかへ向かう。もちろん榛名の元へ。
 三橋に迷惑がられても構わない、嫌がられても構わない。けれど、自分の中で示しがつかない。
 三橋にも、自分自身にも。
 ――何のためにここまでするんだ。誰がために。

 息が苦しい。全身が悲鳴を上げる。
 これもぜんぶ、全部。
 アイツのせい。
 何もかも、苦しいのも痛いのも、悲しいのも。

 本当に全速力で駆けると頭が真っ白になるとよく聞くが、それは本当のことだった。
 今オレはもう会うこともないと思っていたアイツを探す。・・・嫌々。アイツがいる武蔵野のまでは少し遠かったけど、あのときのオレは考えもしなかった。遠いとか近いとかどうでもよくって、頭が真っ白になって、行かなくちゃ、としか考えなかった。今更なことだけど、何故あの場面でここに繋がるのかさっぱりだ。直感、というものだろうか。しかし、直感だろうと考えてここに来たとしても変わりはない。
 今武蔵野にいる、これが現実で向き合うべき問題。
 きっと今日も野球の練習はあるはず。テストなどある時期ではない。
 来たこともない学校で迷うのは嫌で、人に道を聞くのも嫌だったからなんとなくで校内を回った。そんなに変わった学校ではなかったと思う。野球部が使っているグランドが別の場所にあったりなどしなかった、はずだ。
 榛名、榛名・・・。
 あの妙に人をムカつかせる傲慢な態度で堂々と歩く顔が見当たらない。どこ?どこに行けば会える?どうすれば会うことができる?
 昇降口に向かっている足はもうボロボロだ。散々走り回った。榛名を問い詰めるため、榛名に文句を突きつけるため。
 三橋のため・・・。
 とにかく今は榛名を見つけることが最優先。そうしなければ何も始まらない。しようとしていたことがただの思いつき程度の考えになってしまう。
 そういえば、何故練習までサボってここに来ているんだろう。ただ三橋を連れて行ければオレは練習できたのに。ベンチに座らせておけば大好きな野球ができたのに。最初は冷静に連れて来ることしか考えてなかったはずだ。たとえ三橋が嫌だと駄々をこねても、泣いてやめてくれと懇願しても連れてきていたはずだ。どんな汚いと言われる行為をしても連れてこようと思っていたのに、どうして、どこから予定は変更されたんだ?
 自分を失うとは思っていなかった。重い気持ちたちが俯かせる。
 もう止めよう。こんなことしても何もならない。
 来た意味など来た当初からなかったんだ。ただの子供の当て付け。自分の思い通りにならなかったから。
「榛名・・・アレ、シニアのときバッテリー組んでた阿部くんじゃないのか?」
 名前、呼ばれた気がした。けれどその声は榛名じゃない。
「はぁ!?んなわけねぇだろ!アイツがここにいるわけねぇじゃん!!」
 今度は榛名の声。正真正銘の榛名。
 しかし身体は動かない。硬直、それが意味的にあっていると思う。
「けど、西浦のユニフォーム着てるし」
「・・・ホントだ。おい、タカヤーッ!」
 しっかりとした声が聞こえるけど、もう用事はない。消滅した。だからわざわざ嫌な奴に会う必要はない。
 身を翻して声を無視する。前はこんなことできなかった。怖かった、あの瞳に見られるのが。怒ってもいないのに恐れて、オレから離れていった。
「呼んでんのが分かんないのかよっ!!」
 利き腕じゃない方の肩を強く掴まれる。榛名らしいと暢気に思う。こんな状況、状態であるのにも関わらず。 
 久しぶりに見るあのムカつく顔。その顔が珍しく呆気をとられたような間抜けな顔を晒している。笑いたくて仕方なかった。
「なんで・・・・・・んな顔してんだよ」
 それはこっちのセリフだ。言いたくても言えなかった。
 顔が熱い。身体全身が風邪を引いたように火照る。
 ここから、榛名の前から消えてしまいたい。
「お、おい・・・泣くなよ。オレまだ何もしてないだから」
 誤解招くだろ、と。つまりは誤解を招くようなことをしたことがあるってことか。それが現実でありそうで笑えた。今笑っても荒い呼吸としかとれないけど。
「あんたが、悪いんだ・・・」
 口から紡がれた言葉は自分自身でも分からない。漏れているような感じだ。
「・・・あんたが、三橋に何かしたんでしょう」
 疑問符は付かない。つまりは肯定。あんたしかいないんだ、こんなことするやつ。
「たか、や・・・?」
「ふざけんなよっ!こっちにとっちゃ大事なピッチャーなんだぞっっ!!あんたにとってはオレ等はただの虫けらかもしんないけど!!」
「何言って・・・」
「三橋に何したっっ!!!」
 一方的にぶつけた。どうにもならないと知っていても。ぶつける相手が他にいなかった。こんな自分をあんた意外には見せられないと思った。ただ、それだけ・・・。
「たかや・・・っておいっ!!マジで泣くなよっ!」
 それ以上あんたの顔を見ることができなくて俯いた。俯くと顔が陰って気持ちも余計に重くなっていった。自然に流れてしまう涙は滝のように駄々漏れ。いっそこのまま涙を枯らしてしまえば今度こんなことがあっても泣かなくてすむ。あんたにこんな嫌なものを見せずに言いたいことだけぶつけてすぐに帰れる。
「秋丸、部活の方に休むっつといてくれ」
 コイツどーにかするから。榛名がそう言うと秋丸は快く承諾してグランドに向かう。 オレは腕を強く引かれて、泣きながらこの場から撤退させられる。
 どこで泣いたって今更だ。ゾロゾロと出てくる生徒達にもうオレは見られている。ならば、泣きたいところで泣かせてくれ。
 暖かく感じるのはなぜか。
 それは今が梅雨の時期だから。榛名は関係ない。
 心が軽く感じるのは。
 榛名への想いをぶつけたから。つまりは榛名のおかげ。
 榛名のおかげ。
 礼なんて一生言わないけれど。
 あの後榛名は校舎裏へと阿部を導いた。年中陰っているそこは梅雨だが僅かに涼しい。
「それでなんでここにきたんだよ」
 来た理由はありません。そう言おうと口を開けたが、そんなこと言ったら誤解される。ただ榛名に逢いたかっただけだと。そんな勝手に不純な理由をつけられるのは嫌だったから榛名に言い放った言葉をもう一度言った。
「三橋は、・・・三橋に何をしたんですか?」
 そこで溜め息が一つ。どこの親父だ。
「オレは何もしてねぇよ。お前が勘違いしただけじゃねぇの」
 有り得ることを言われてしまうとどうしようもない。けれど、三橋の口からしっかりと紡がれた言葉は真実だ。
「そんなに簡単に返事するよりよく考えてください」
「・・・・・・」
「何か、ありましたか?」
「・・・怒鳴ったってその何かに入るのか?」
 当たり。阿部の考えは的を射ていた。何か小さな一つでもしたなら黒、していないのなら白。そのどちらか。そのどちらと言われたら、榛名は間違うことなく黒。
「入ります」
 つい今さっきまで泣いていたのに、もう榛名を嘲笑うことができる。もう大丈夫、いつもの自分。
「それで何て怒鳴ったんですか?」
 一番重要なとこはそこだ。三橋が榛名からのどんな言葉で傷ついたのかによってこれからの対応が違う。 
「なんて言ったかなんか覚えてねえよ、結構前だし」
「それでも思い出してください」
 早くしないと頭叩き割りますよ?
 言い出しそう口をそっと押さえ、時間と格闘する。しかしもう慣れる程経験しているので格闘はそんなに大変ではない。
「確実じゃねぇけど、たしか・・・『帰れ』っつった気がする」
 どんな状況かはさっぱりだが、確実に榛名が悪いと言うことがわかった。
 そこで暫く沈黙がその場に落ちる。先に黙ってしまったのは阿部だ。考察のためとも言える時間はいつの間にか気まずくなっていった。そこでフォローなのか何なのかよく分からないが、榛名が先に口を開ける。
「話逸らされたんだけど、お前なんでここに来たわけ?」
 元の話題に戻ったのに気まずくなるのは阿部だ。そもそも理由などないのだ。それでどう答えろというのだ。
「・・・さぁ、なんでしょう?」
 思わず手に汗を握る。それはないだろう、その答えは。自分でもまずったと思う。
「オレをからかってるのか?」
「そういうつもりはありません」
 榛名をからかっていいことはない、倍返しの恐れを感じるからだ。今までだってしたことない、シニアの頃からずっと。
「・・・・・・・・・三橋、か」
 ニヤリと擬音を立てるように意地悪く笑う。
 これからの展開に怯える阿部は榛名の小さ過ぎる言葉を聞き取れなかった。むしろ独り言として受け止めている。だからというわけではないけど、榛名が何をしようか
考えていることが分からなかった。普段なら榛名のことはだいたい分かるはずなのに、読み取れない、読み取らせてくれない。
「お前もう帰れ」
 どこか遠くなってしまった榛名は阿部に別れを告げる。妙にその言葉が引っかかったけれど、どうしようもなかった。
 用がないなら帰れと指示されたどおり西浦への帰路を辿ろうとする。阿部が一歩足を踏み出したところで思い出したように榛名が阿部を引き止める。
「それと―――」

 夕日が差し込む暗い小部屋にもぞりと動く影が一つ。丸くなっているそれは猫のようだが、しかし違う。猫と言える大きさではない。もし万が一にも猫だというならライオンなどの大型だろう。もちろんライオンなんていう危険動物大体の国で飼うなと法律で言われている。
 むくりと布団を巻き込んで起き上がったのは人間。頭も何もかもが猫のそれとは異なっている。
「野球、したい、な」
 そう呟く一言はひどく寂しげ。
 有限実行とは少し違うが、床に放り投げだされているグローブを手に取る。年季がはいったそれは自分の手にしっくりとくる。自分の期待に応えてくれる
「ちょっと、投げよう、かな」
 衝動に駆られた少年はそのまま部屋を出る。階段を降り、玄関へと向かう。向かうにつれて足取りが軽くなるのはこの少年が野球児だからなのだろうか。
 シューズの紐をしっかりと結び終わると足早に玄関の扉をガラリと開ける。勢いで一歩だけ踏み出した足は気まずさに引こうとしても引けない。
「ちわ、三橋」
「は、はるな、さん・・・」
 三橋と呼ばれた少年はびくりと怖気づいてしまう。自然とくる身体の震えを抑えられない。
「おいおい・・・そんなに怯えることないだろ。まだ何にもしてないんだからさ」
 三橋の肩をそっと掴んだ榛名は野球児にしては細いなと思う。
 たったそれだけの行為に三橋はまたも身体を震わす。それはただ単に敏感なのか、榛名に怯えて敏感になっているのかは大体検討がつく。
「ところで三橋さぁ、オレのこと嫌いなの?」
 三橋に構わず誰かに嫌われることはいいとは思わない、けれど、自分の言ったことになぜかチクリと心が痛む。こんなことあって当たり前のはずなのに。人間なんだから当たり前。
「きらい・・・じゃないっ!!榛名さんは、かっこよくて、球すごくてっ、それで・・・」
 最初の言葉に身体は凍りつき、次の瞬間には程よく解してくれて、暖かな存在だなと思う。最後の方の言葉は勢いだろうか、よく分からない。
「いや、・・・その、ありがとう?」
 榛名が怒ってないと察すると三橋はこれ以上ないくらいニヤけたような顔をする。その顔になぜだかそそられる。こう・・・頬を抓りたくなる。
 よくよく三橋の顔を見ると涙の跡がある。それに目元が赤く染まっている。
 痛々しい姿を見たくなくて僅かに視線を俯かせる。
「あの、榛名さんはどうして、俺んちに来れた、んですか?」
「あぁ、・・・タカヤに聞いた」
「あ・・・あ、あべくんっ!?」
 阿部の名前を出すと三橋はキョロキョロと辺りを窺う。バッテリー組んでるのにそんなに恐れられているのかと榛名は呆れる。意外にあいつにもできないことはあるんだな、と。その事実が面白しろくてその悩ましい姿を思い浮かべる。珍しい姿で面白く感じるが、前のようにそれでいっぱいになることはない。前のように腹を抱えて笑い転げることはない、珍しくて面白いのに。
 ふと榛名の頭から阿部が消える。変わりとばかりに消失感が訪れる。
 寂しさに満ちる榛名は無意識に手を伸ばす。
 柔らかな色素が薄めな髪。泣いたせいで紅潮した頬、艶めいた肌、潤んだ瞳。その全てに引き込まれる。すっと勝手に動く。
「はる、なさん?」
 辛そうな顔は榛名に向けられていた。痛々しい跡がついた顔が今度は困ったような顔をしていてどうしようもない重いが湧き上がる。初めての感情、知らないモノ。
 伸ばされた榛名の手は三橋の頬に触れる。そっと触れる手はまるで壊れ物を触る様。
 そこで手に柔らかな感触を感じ、榛名は自分を取り戻す。
「・・・ごめん」
 しかし頬に触れている手は磁石のように動かない。そして榛名自身も離れようとは思っていない。
 ただの不思議な気まぐれ。それで終わらせようと思った。
『それと、三橋のいるとこ教えろよ』
 阿部に言った言葉も気まぐれ。
 手にほんの少しだけ力を入れる。逃げられたくない、逃げさせない。ここまできて。
 三橋の顔が榛名によって陰る。けれどすぐにその影は離れていく。
「じゃ、オレ帰るから」
 呆然と立っている三橋を置いていき、自分の帰路に着く。
 三橋は遅らせながらも今の事態に驚く。榛名が触れた額を両手で隠すように触る。もうそこに他人の熱はない。
 無自覚は罪、それとも性?どちらとも言えるがどちらでもない。
 本当を掴んでいなければ、どちらも無自覚の侵食が続く。苦しみも悲しみも喜びも、全部全部。


色々というかほとんど全てが可笑しいです。
けれど、そこはご愛嬌ってことでお許しを。


今日テストでした。
三年の最後のテスト。
悲しいようで嬉しい。嬉しいようで寂しい。
様々な矛盾が起きますね。
0点とればまだここにいられるのだろうかとか。バカなことばっかり。
けれど、私は今のクラス学年がいいのであって、三年がいいというわけではありません。
大切なもの、友達がいて、忙しないときを刻む。
きっとそれがいいんだと思います。
不老不死じゃないのと一緒で、永遠じゃないんです。
一年間だけだから嫌な奴がいても耐えられて、最後の一年間だけだから大切にできる。
幸せはほんの僅かでいいのです。
あまりに多すぎると欲に生きる獣ですけら。
お金とかを持っていて幸せと感じるのは可笑しいです。
一個人の私が言うのはもっと可笑しいですが。
そりゃお金をたくさん持っていたほうが何かといいでしょうが。
多分それは幸せじゃなくて裕福?周りへの自慢でいい気分になっているだけ。
ただの錯覚。

全部が私の推測。
間違っているかもしれないし、一部分があっているかもしれない。
ただの私の考え。それが一番いいケリのつけ方。
間違ってるけど、あってる。多分・・・。

そろそろ幕を下げましょう。
第二公演を待ちわびるその日まで。



オレ様ティーチャーで桶川って人。
・・・なるべくコミックス派の私には謎です。
花ゆめを除いた結果は最悪です。
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とうとう私も大学生…。しみじみとする以上に本やら知識を取り入れなければ!
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